行政書士法人 麻田事務所

〇 死亡届と葬儀

 

 

近親の方が亡くなったら死亡届を市役所に出してください。死亡後7日以内です。

国民健康保険に加入していた場合にはその手続きも市役所で聞いておくとスムーズです。

 

死亡届と一緒に火埋葬許可申請書も出して、火葬許可証をもらいます。

 

これがあれば葬儀社で葬儀をしてもらえます。お墓や戒名を決めたりと忙しい日々になります。

 

 

 

 

〇 各種機関に連絡

 

 

まずは銀行に連絡して取引を止めましょう。相続財産に関係してきますので早めの連絡がおすすめです。残高証明書の発行についても問い合わせておくと後の手続きがスムーズです。

 

健康保険は健康保険組合や市役所、年金は年金事務所に連絡する必要があります。埋葬料などの給付金や遺族年金の支給があったりしますので、忘れずに手続きをしておくことが必要です。

 

さらに、生命保険に加入している場合には生命保険会社に連絡をして保険金の受取手続きをします。

 

クレジットカード会社やネット銀行も忘れずに。

 

 

 

 

〇 遺言書の確認と検認

 

 

いよいよ、本格的な遺産相続の手続きです。遺言書を探しましょう。遺言書があるかどうかで今後の手続きが変わってきますのでとても大切なことです。遺言書がありますと原則として遺言書通りに相続・遺贈がなされます。遺言書がない場合には相続人全員で遺産分割協議をしなければいけません。

 

遺言書は、金庫や貸金庫があればそこにある可能性があります。もし公正証書遺言を作成している場合には、公証役場で遺言書の検索をしてもらうことができます。一般的には、机の引き出しやタンス、棚の中など大切なものをしまっておく場所にあることが多いです。通帳や証書類、郵便物が見つかれば保管しておきます。

 

遺言書が見つかった場合、すぐに開封してはいけません。遺言書は検認という手続きが必要です。もし遺言書に偽造や変造、隠匿、毀損などがあると“欠格事由”にあたりますから、検認が要求されているのです。また、勝手に開封すると5万円以下の過料を課されるかもしれませんので注意が必要です。

 

検認は、被相続人の住所地の家庭裁判所に申し立てます。“いついつに検認します”という連絡が来ますから、当日に家庭裁判所に行くと目の前で開封と検認がなされます。検認証明書をもらって検認手続きは終了です。

 

 

 

 

〇 相続人の調査

 

 

遺言書がない場合には遺産分割協議をすることになります。そのためには相続人が誰でどこにいるのか、どうやって連絡するのかが分からなければいけません。

 

そこで、被相続人が生まれたから亡くなるまでのすべての戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本を取得して、被相続人の親族関係を洗い出します。

 

再婚されている場合は前の配偶者との子、認知している場合には認知された子も忘れずに確認します。

 

 

 

 

〇 相続財産の調査

 

 

まずは身近なところから確認していきましょう。預貯金の通帳・証書、出資金の証書、不動産の権利証などがないか探します。ネット銀行などの取引があるかもしれませんので、パソコンやスマホの中に取引の痕跡がないか探しましょう。ネット銀行や証券会社から取引の通知メールがあるかもしれません。

 

預貯金が見つかった場合には、残高証明書を発行してもらいましょう。日付は被相続人が亡くなった日です。

 

次に、市役所で固定資産税台帳を見せてもらいましょう。相続人であることを証明しないといけませんので、必要な書類を電話で問い合わせておくとスムーズです。

 

また、郵便物も探しましょう。固定資産税の納付書や銀行からの連絡などを確認します。

 

 

 

 

〇 遺産分割協議と調停・審判

 

 

相続人と相続財産が判明したらいよいよ遺産分割協議です。相続人全員で話し合わなければいけません。誰が何を相続するのかを決める話し合いです。

 

遠方に住んでいて集まれない場合には、メールや手紙、電話などで話し合いを進めることもできます。

 

相続人の中に未成年や認知症の方がいる場合には、場合によっては特別代理人や成年後見人をつける必要があるかもしれません。

 

相続人全員が同意して遺産分割協議が整ったら遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には必ず全員の署名押印が必要です。このときは実印を押してもらうようにしましょう。印鑑証明書も一緒に添付します。それぞれの相続人が1通ずつ保管できるように、相続人の人数分だけ作成します。

 

 

遺産分割協議が整わない場合には、相続人全員で家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。調停委員が間に入って話し合いを進めてくれます。これで遺産分割協議が整うと調停調書が作られて遺産を分割することができます。

 

遺産分割調停が整わない場合には遺産分割審判に移行します。相続人がそれぞれ自分の望む分割方法を主張して資料を提出します。裁判官がその主張と資料を見て妥当だと思う審判をし、審判書が作られて相続人に送付されます。これで最終的な決定がなされました。

 

 

 

 

〇 限定承認と相続放棄

 

 

遺産の中に借金や負債があるときにはそのマイナスの遺産も相続されます。借金や負債が多くて相続したくない場合には、限定承認や相続放棄の手続きをとることができます。

 

 

 

 

〇 その他の手続き

 

 

1 所得税の準確定申告

被相続人が確定申告をしないといけない場合には相続人が代わりにこの手続きをします。ただし、死亡後4か月以内の手続きが必要です。かなり急がないといけないと思ってください。

 

 

2 預貯金の払い戻し、株式の名義書き換え、投資信託の払い戻し、電話や有料放送などの解約

遺言書や相続財産を探しているときに、このような書類が見つかったら保管をしておきましょう。まとめて手続きをしないと、どの手続きが終わって何がまだなのかが分からなくなります。

 

3 不動産の相続手続き

不動産の名義変更をしておきましょう。これは義務ではありませんが、放置しておくとのちの相続でもめるかもしれません。相続を“争族”にしないためにも手続きをしておきましょう。

 

4 相続税の申告と納付

相続税の申告と納付は、被相続人が死亡してから10か月以内にしなければいけません。納税までが10か月です。ただ、遺産分割協議が整わずに相続分が分からない場合が多くあります。このような場合には、一応の金額として法定相続分で申告・納税することが多いです。遺産分割協議が整った後に更正請求をして清算します。

 

相続税が支払えない場合は、物納や分割納付という方法もあります。税務署に相談してください。

 

5 相続税軽減措置の手続き

小さな宅地を相続した場合や農地を相続した場合には相続税の軽減措置があります。これらの措置を受けるには、10か月以内に相続税の申告・納税をするときに“申告期限後3年以内の分割見込書”という書類も提出します。この書類は、3年以内に遺産分割協議が整う見込みだという書類です。遺産分割協議が整ったら“更正請求”をします。

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