行政書士法人 麻田事務所

◯ 法定相続情報証明制度って何?

 

みなさん、相続の手続の経験はありますか?死亡届の提出、葬儀社の手配、遺言書の確認、遺産分割協議、遺産の名義変更、銀行口座の解約など手続きがたくさんあります。お金もたくさん必要です。亡くなった方の銀行口座を解約しようと思っても、口座が凍結されていて解約できずに「支払いはどうしたらいいの?」と困ってしまうことがよくあります。そのようなときに役に立つのが法定相続情報証明制度です。平成29年5月29日から始まりました!

法定相続情報証明制度では、一定の書類を登記所に提出して認証文付きの書類を受け取ると、銀行口座の解約に使えるのです。しかもこの書類、発行手数料がタダなんです!

 

 

 

◯ メリットとデメリット

 

〇 メリット 〇

 

(1)銀行口座の解約の時間と手間が減る!

何といっても銀行口座の解約の手間が減ります。特に複数の銀行口座があるときにかなり楽になります。登記所から受け取る認証文付きの書類は何枚でも発行してもらえるので、同時にいくつもの銀行口座の解約手続きができるのです。時間短縮にもなりますね。

 

(2)不動産の相続登記の書類が集まる!

認証文付きの書類をもらうためには戸籍謄本や除籍謄本を提出しなければいけません。この書類は不動産の相続登記のときにも使えます。ですので、書類取得の二度手間はありません。

 

× デメリット ×

 

(1)書類の発行に手間とお金がかかる!

謄本などの書類の取得だけでなく、申出書への記入、一覧図の作成など手間がかかります。面倒くさい…と専門家に事務を依頼すると費用がかかります。結局は手間かお金かがかかります。

 

(2)銀行が対応してない!?

銀行によっては法定相続情報証明制度に対応していないところもあります。対応していなければ認証文付きの書類は使えません。そうなると、今までどおり遺産分割協議書を持っていくしかありません。せっかく取った認証文付きの書類が無駄になります。

 

 

 

◯ 手続の流れ

 

1 必要書類の収集

亡くなられた方の戸籍謄本と除籍謄本

亡くなられた方の住民票の除票(または戸籍の附票)

相続人の戸籍抄本

申出人(相続人の代表者)の身分証明書

相続人の住民票の写し

委任状など

 

2 法定相続情報一覧図の作成

亡くなられた方と相続人の関係図を作ります。

 

3 申出書の記入

決められた書類に記入します。

 

4 法務局へ提出

揃えた書類と一覧図、記入した申出書を登記所へ持っていきます。

 

 

 

◯ 必要?不要?

 

書類を集めないといけないし、専門家に頼んだらお金がかかるし、あまりよくない制度なんじゃない?と思われるかもしれません。たしかに、亡くなられた方の銀行口座が1つしかないような場合は法定相続情報証明制度を使う必要はないでしょう。逆に、いくつも銀行口座があって「どこから手を付けたらいいのか分からない!」という方はこの制度を利用してみてはいかがでしょうか。時間と手間が減るはずです!

 

 

 

◯ 金融機関の解約手続は何をするの?

 

必要な手続きや書類は金融機関によって異なりますが、おおよそ次のようになります。

 

1 死亡したことの通知と口座凍結

日頃から疎遠な相続人がいたり世話人などのまったく知らない第三者がいたりする場合には、口座から現金を引きぬけれるのを防ぐために口座を凍結する必要があるかもしれません。そのときには死亡した旨を金融機関に伝えてください。

相続人が1人のみで口座をしっかりと管理されている場合には、清算手続きの便宜のために手続を後回しにしても大丈夫です。

 

2 解約請求人と死亡者との関係の証明

死亡したために口座を解約する場合には、解約請求人(相続人代表者)と死亡者との関係を証明する書類が必要です。請求者(相続人代表者)と死亡者の両方が載っている戸籍謄本や法定相続情報一覧図を提出します。

法定相続情報一覧図を利用する場合には、利用の可否を金融機関に確認してください。金融機関の手間が省けますので喜んでもらえるかもしれません。窓口の手続でしたら原本を返してもらえる金融機関もあります。

 

3 解約手続き書類の入手

解約手続きのための書類を郵送してもらいます。窓口でしたらその場でもらって記入します。

 

4 解約手続き書類の作成と提出

解約手続きのときには口座に入金されている金額を他の口座に振り込んでもらうことができます。そのために、書類に記入するときには、振込先の金融機関名、支店名、口座番号、名義人名を準備しておくとスムーズです。口座名義は請求人(相続人代表者)と同一でなければいけない場合がありますのでご注意ください。

また、死亡した方の出生から死亡までの戸籍謄本を添付する必要があります。これらを揃えるには手数料が3000~5000円程度かかります。

窓口で手続きをする場合には、振込先の通帳と印鑑を持参することをお勧めします。

 

5 現金の受け取り、指定口座への振込

窓口で解約手続きをした場合、現金をその場で受け取ることができます。ただ、何百万円、何千万円と預金がある場合には、事前に金融機関に連絡をして現金を持ち帰ることができるか確認してください。

指定口座への振込を希望したり郵送で解約手続きをしたりした場合には、振込になります。このときには振込手数料を負担しなければいけません。

 

 

 

◯ 銀行口座がたくさんあるんだけど…

 

資産管理のために金融機関の口座をたくさんお持ちの方もいらっしゃると思います。これらを一つ一つ解約するためには、原則として戸籍謄本の提出が必要です。たとえば、5つの金融機関の口座を解約するためには、戸籍謄本の取得代が2~3万円かかることがあります。金融機関が遠方にあるなどの理由から郵送で手続きをした場合には、戸籍謄本を返却してくれない場合がありますので数万円の費用がかかっていまします。

この費用を抑えるために、法定相続情報証明制度を活用できます。法定相続情報証明制度は不動産の相続登記を促すための制度ですが、相続全般の手続にも使えるようになっています。特に戸籍謄本を返却してくれない場面での口座解約の手続きには威力を発揮します。法定相続情報証明制度の手続は雛形が用意されていますので、意外に簡単に記入することができます。法務局でも丁寧に教えてもらえますし、もし書類の不備があれば連絡をもらえますので安心です。具体的な手続きはこちら(法務局のサイト)を確認してください。

 

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